トップページ » FAQ » 『ニキビ, 女性の皮膚科』についての質問
低用量ピルは日本では2000年に認可されましたが、他の先進国では40年の歴史があり、その効果・副作用などは十分な情報があります。 皮膚科の目から見ると、ピルを内服している方は、にきびの数が減って重症度も軽くなりますね。ピルは日本ではまだ理解が十分でなく、誤解も多いようですが、適正に使えば女性が自分の体や人生をコントロールする有用なアイテムになるのです。 ニキビが下顎に集中する、生理前に悪化する、ストレスで悪化するようでしたら、ピルでの改善効果が期待できます。婦人科で処方していただきます(すみませんが当院では処方できません)。その際は血栓症や感染症、血圧、癌のチェックなどをして、パスした方のみに処方されるのが原則です。保険が効かない自由診療で、価格は1ヶ月3000〜4000円くらいです。ピルを内服するならタバコはやめるよう言われていますが、そうでなくても禁煙はした方がいいでしょう。
《皆さんから多い質問・ご心配》
〇薬だから怖い、副作用も心配 ...ピルの副作用には、内服し始めのむくみやだるさがありますが、2〜3ヶ月程度で軽快します。禁忌(血栓症など)がなければ、まずは数ヶ月内服してみるとほとんど副作用がないのが実感できると思います。むしろ、副効用(副作用の反対で良い作用のこと)で、生理の出血が軽くなる、痛みも楽、生理前のイライラが改善、貧血が治った、旅行など計画しやすいなど、女性の人生を改善する効果が大きいです。
〇ピルで乳がんが増えると聞きましたが? ...近年、日本人女性で乳がんが増えています。ところがピルの普及率は先進国が平均16%であるのに対し、日本は最低の2.3%でほとんど増えていません。乳がんの増加率と全く比例しないのです。ちなみに子宮体癌・卵巣癌・大腸癌などは、逆にピルによって危険率が下がります(BMJ2007:p651)。
〇将来子供が欲しいので迷います ...ピルはいつでもやめられますし、妊娠したければ中止して2ヶ月で妊娠が可能になります。胎児への悪影響はありません。 人間の体や遺伝子は、原始時代からほとんど変わっていません。昔の女性は若くして妊娠して次々出産したため、生理は生涯で50回程度だったそうです。ところが現代では、非婚・晩婚・少子化のため生理は生涯で450回、気が遠くなりますね。ピルはホルモンの急激な増加や減少の波を抑えて安定化させ、偽の妊娠状態を作るため、むしろ原始時代の体に近くなる『自然な』薬ではないかと私は考えます。 ピルに関する正しい情報を収集し、ご自分の価値観やライフスタイルを基に、メリットとデメリットに納得した上で内服されることをお勧めします。
追伸;最近、ピル博士のピルブック(メディカルトリビューン社 ジョン・ギルボー著)を読む機会がありました。イギリスの医師であるギルボー博士によると、英国での妊娠・出産による死亡リスクは17000人に一人だそうです。これは、英国で車にひかれて死亡するリスクとほぼ同等です。ピルの内服による死亡は77000人に一人。もしも望まない妊娠と中絶をするのであれば、ピルで避妊した方が4.5倍安全といえます。ちなみにタバコのリスクは最悪で、1日20本、1ヶ月600本タバコを吸う女性は、1ヶ月ピルを内服することの100倍、命の危険があります。
ニキビの治療とピルの関係ですが、普段からピルを内服している人が、ニキビ用にテトラサイクリン系抗生剤(ミノマイシンなど)を飲み始めた場合、1ヶ月はピル以外の避妊法を併用する必要があります。その逆では特別な注意は必要ないそうです。また、外用剤や光治療による治療には一切影響はありません。 2010年4月追記
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