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『外傷・かぶれ・虫刺され・やけど』についての質問一覧 - にいざわ皮ふ科

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『外傷・かぶれ・虫刺され・やけど』に関するFAQ

43 虫刺されで他の皮膚科に行ったら、〇〇軟膏を処方されました。2〜3日で効いてきましたが、調べたらステロイドだったので何か不安で中止してしまいました。続けて塗ってもいいのでしょうか?/2008年10月08日

 ステロイドを使いたくないとおっしゃる方は時々いらっしゃいます。誤解・怪情報があまりにも多いようなので、ステロイド外用剤について順序だってご説明します。ちょっと長くなりますがすみません。  もともと、ステロイドとは、コレステロールを原料に体内で合成されるホルモンの構造式の総称です。正しくは、副腎皮質ホルモンと言われるホルモンなかのひとつ、コルチコステロイドを指します。もし副腎という臓器がなくなったら、人は生命を維持することができません。ステロイドとは、私たちがもともと体に持っているホルモンの一員であり、ストレスに対抗したり、行き過ぎた免疫(アレルギーなど)のバランスを整えるなど重要な役割を果たしています。  ステロイドを薬として投与する目的はその優れた『抗炎症作用』です。皮膚に限定してお話しますと、局所に炎症(赤み、腫れ、水疱、痛みやかゆみ)など非常事態が起こった場合、本来なら副腎から自分のステロイドが来てくれれば内側から治るのです。ところが、人体のコルチコステロイドは1日の生産量が決まっており、他の臓器に優先的に分配されて、生命に支障のない皮膚まではなかなか回ってきてくれません。何か、今の日本の地方格差の話みたいですが。  そのようなわけで、コルチコステロイドの外用剤が考え出されました。最初の外用ステロイドは今から何と60年前に登場しました。60年間、世界中で皮膚の治療に使われていますし、種類も、強いものから乳児用のマイルドなものまで色々開発されています。塗った場所だけに効果が出るので、内服と比べて全身への影響は極めて少なく、副作用はもし出ても塗った局所にとどまります。大人の場合、最強ランクのステロイドを毎月50g(チューブ10本)を使っても、体には影響はないと証明されています。ちなみに、内臓にたまるなどという説は完全なうそです。内服でもありえません。なぜなら、ステロイドに限らずホルモンが過剰になると、フィードバックと言って、ホルモンの産生を抑制するしくみが働くためです。  ステロイドというのは、自動車と同じで便利なもので、しくみを理解して適正に使えば、つらい症状を早く軽くしてくれます。もちろん、絶対使いたくないという価値観をお持ちの方には、無理にはおすすめしません。しかし、誤った情報を信じたり、ただ漠然と不安だとおっしゃる方には、正しい情報が伝わっていないのだと思います。新聞記事に、自動車での死亡事故が報道されたら(毎日報道されてますが)、あなたは絶対自動車に乗らず、運転免許も取らないと決心するでしょうか。日本では6000万台の自動車が日々無事に走っているのですが、無事は報道されませんね。ステロイドも全く同じことで、きちんと治るのが当たり前すぎて情報にならないのです。
 皮膚科医とは、患者さんの年齢・性別・病気の種類や部位・程度などを総合的に判断して、いかに効率よく安全に治療するかと言う訓練と研鑽を日々続けています。かぶれ、虫刺され、アトピーや乾癬などの疾患は、治療のメインとしてはやはりステロイドが一般的です。ステロイドを全く使わない治療もできますが、それでは60年以上前の医療レベルと大差ありませんね。  私は、自分の虫刺されにはさっさと強めのステロイドを塗って早く治してしまいますし、患者さんにもそのようにご提案しています。お手持ちの〇〇軟膏は、強さのランクでは第2レベルなので、お使いになっていいと思いますよ。

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