トップページ » FAQ » 『アトピー性皮膚炎, 皮膚科の治療』についての質問
紫外線治療ナローバンドUVBについてご説明します。 皮膚科領域では古くから、日光により皮膚病の一部が治ることが経験的に知られていました。光の波長の解明がすすみ、人間の目には見えない短い波長の領域(紫外線;UV)での治療法が進化しています。 今までは、アトピー性皮膚炎(以下ADと略)に効果のある紫外線治療としてはPUVA(プヴァ)療法が主役でした。PUVAは、光反応物質を外用または内服で作用させてから長波長紫外線を当てるのですが、色素沈着を起こしやすく、1回の一連の処置や照射に30分かかるなど、外来通院ではやや無理な点がありました。 1980年代からヨーロッパで考案されたナローバンドUVB(以下NBと略)は、照射時間が短く前処置もいらないことから普及がすすみました。NBとは直訳すれば《狭い幅》、つまり311nm(ナノメーター)前後のごく限られた波長を取り出す事で、もっとも治療効率が高く、かつ無駄な赤みや日焼けを起こさないとされています。2007年時点で日本でも500台以上が納入されています。長野市内でも数件の皮膚科で使われています。 NBは?乾癬?AD?尋常性白斑などの皮膚疾患の治療に使われ、有効性が確認されています。いずれも経過が長く慢性の疾患であり、外見上も患者さんの悩みとなっていることが多いです。ADでは、NBによって使用する外用ステロイド剤を半減させる効果が期待でき、かつ、照射して早い段階で痒みが楽になるのも特徴と言われます。有効率はいずれの文献でも70%以上で認められます。光反応物質を使わないため、小児や妊婦さんでも治療可能とされています。 NBは保険の効く有力な治療の選択肢のひとつとなりました。費用は、保険3割負担で1回1280円と見込んでください。1回の時間は、全身に部分的にかけていって、10分程度と考えていただいていいです。 ただし通院が大変かもしれません。できれば最初は週2回で、軽快してきたら週に1回とか、月1〜2回にペースダウンは可能です。合計20〜30回は必要とされます。 紫外線治療の欠点は、かけすぎた時の赤みやひりひりなどヤケドに似た症状、治療を繰り返した時にそばかすのような色素沈着が残ることなどです。免疫を抑制しますので、ヘルペスなど感染症にも注意します。長期にわたって大量に照射した時に皮膚癌の可能性も考慮しなくてはなりません。各国の諸論文では、NBはPUVAよりも発癌の可能性は低いと言う見解で一致しています。ちなみにPUVAでは、照射が400回を超えたら発癌に注意するよう促されています。
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