トップページ » FAQ » 『湿疹・皮膚炎, 頭皮・髪・耳』についての質問
乾癬(かんせん)とは聞きなれない名前かもしれませんが、うつる『感染』とはまったく無関係で、皮膚の炎症性角化症の一種です。その病変部では、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が異常に早くなり、厚い角質を次々に作り出しては脱落させ、かつ毛細血管も拡張して赤い病変を作っています。境界がきわめて明瞭で、正常な皮膚とははっきり境されるのも特徴です。部位としては頭部に発症することが多く、膝がしらや肘の突出部、体や腕・足などさまざまな部位に見られることもあります。爪が変形することもあります。
通常は皮膚のみですが、まれに関節痛を伴うことがあります(関節症性乾癬)。
人にはうつりませんからご安心を。たとえばお子さんとお風呂に入って直接接触しても、絶対にうつりません。ただ、乾癬という病気には遺伝的な関与も一部にあり、欧米人では血縁者に同じ病気がある確率が20%程度といわれます。日本人では5%に満たないようです。
皮膚科医になりたての頃、先輩医師によく聞かされましたが、昔の日本には乾癬は珍しく、たまに大学病院に乾癬患者さんがいると勉強のため皆で見せてもらったそうです。しかし高度成長期時代あたりからぐんぐん増えて、おそらく現在日本では10万人くらいいるのではと言われています。欧米では昔から多い病気ですがさらに増え、アメリカでは推定450〜750万人!だそうです。お隣の韓国でも増加傾向。
乾癬を増やす要因として近年注目されているのがメタボ、すなわち肥満、高血圧、高脂血症ならびにそれらをもたらす食生活です。乾癬は30歳から50歳の男性患者さんが多く、乾癬の方たちはそうでない方に比べメタボの比率が2倍ほど高いのです。お米、野菜、きのこ、魚、大豆製品を中心にした和食がおすすめ、揚げ物など油はなるべく控えた方がよさそうです。タバコやストレスも悪化因子です。思い当たりませんか?風邪や扁桃腺炎で急に悪化することもあります。
もうひとつ、乾癬を悪化させる意外な犯人は、皮膚を傷つけること。昔からケブネル現象として知られていますが、乾癬の患者さんの一見正常な皮膚に傷をつけると、その形に乾癬を形成するのです。ですから、入浴時にナイロンタオルで洗いすぎたり、ブラシで頭皮を傷つけたり、痒いからと掻いてしまったら逆に皮疹を増やすことがあります。古い角質はお湯でゆっくりふやかして、固形石鹸の泡でていねいに落としましょう。
一生治らないというのは語弊がありますね。悪化させずうまくコントロールできる疾患ですから、あせらず、まず外用治療を始めてはいかがでしょう。外用の基本は、ステロイドとビタミンD3軟膏のふたつが基本です。
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