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『外傷・かぶれ・虫刺され・やけど』についての質問一覧 - にいざわ皮ふ科

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『外傷・かぶれ・虫刺され・やけど』に関するFAQ

76  30代の介護職の男性です。職場で何人か入居者の疥癬が発生し、自分もうつったようです。地元の皮膚科で疥癬と診断され、飲み薬と殺虫系外用剤を処方されました。治療を始めて1週間、まだ体に赤いぶつぶつが出ます。家族にうつらないよう寝室もお風呂も別にしていますが、いつまで家族から隔離していればいいのか悩んでいます。(長野県外からのお問い合わせ)/2010年05月13日

 疥癬(かいせん)という病気は、目に見えないほど小さなダニ、疥癬虫の皮膚寄生によって生じます。血を吸うダニとは違い、メスはヒトの皮膚に浅いトンネルを掘って隠れ、その中で卵を産みます。幼虫やオスは皮膚表面を這っています。
 疥癬の歴史は古く、俳人の小林一茶も晩年は疥癬に悩まされたそうです。100年以上前、顕微鏡が発明されてから初めて、疥癬虫のしわざであることが判明しました。日本では太平洋戦争終戦後や1975年に大流行があり、最近は高齢者の増加に伴い病院や介護施設で時々感染が見られます。
 疥癬虫は、人のぬくもりが大好きな生き物です。感染経路は、一緒に布団に入るような中(夫婦・親子)では直接皮膚から皮膚にうつる(この場合は虫が歩いて移る意味)ことで感染が起こりえます。以前は安宿や当直室でシーツも変えないで次の人が布団に入ると、布団の温かさで生きていた虫がくっついたそうです。本来ヒトにつくのはヒト疥癬虫だけですが、ペットブームで動物疥癬が飼い主に及ぶケースも見られます。
 疥癬虫は皮膚の柔らかい部分に生息しますので、疥癬の発疹は指のまた、外陰部、わきの下などが好発部位です。皮膚科医はこれらの部位に、疥癬トンネルや小さな水疱を見つけ、皮膚をむしって顕微鏡で確認します。虫本体や卵がみつかれば診断は確定します。ただ、健康な人の場合、疥癬虫は全身で平均たった5匹とも言われ、見つけるのに苦労するケースも多いです。栄養状態が悪かったり、エイズのような免疫低下状態ではより深刻になりやすい(虫が大量に増殖する)ことがあります。このような人は治療とともに隔離が必要ですが、一般の場合そこまでは必要ありません。
 現在日本での治療の主体は、内服(ストロメクトール)と、外用(安息香酸ベンジル・オイラックス・イオウ剤)です。皮膚科医の指示どおおりにお使いください。
 家庭での対策ですが、日頃から一緒に寝ているような親子関係なら、お子さんも皮膚科で診察を受けてはどうでしょうか。疥癬虫は床に落ちると数日以内に死ぬため、掃除は普通の掃除機で十分です。洗濯も普通でかまいません。お風呂のお湯ではうつりませんがバスタオルは別にしましょう。
 ご質問のケースは健康な男性の通常疥癬ですので、治療して1〜2週間でもう一度皮膚科に見てもらい、虫が残っていないか確認してもらいましょう。いなければ、家族からの隔離生活は終りでいいでしょう。かゆい発疹が2ヶ月ほど続くことがありますが、虫の死骸や糞によるアレルギー反応がおもで、実際には虫はいないことが多いです。

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